人工知能が将棋と合体するメリット・デメリット 頻繁に議論が巻き起こる将棋棋士と「AI将棋」の対局。過去には幾度となく将棋AIが棋士たちと対局し、驚異的な勝率を記録しています。

今回は、「AIと対局ってどういうこと?」「AI将棋には一体どんなメリットが?」といった疑問にお答えすべく、AI将棋の歴史や実際の対局戦を踏まえて解説します。

将棋AIとは?

将棋AIとは将棋AIは、日本の伝統的なゲームである将棋をプレイするために設計された人工知能(AI)です。アルゴリズムと機械学習技術を駆使してゲーム盤の分析と可能な手と戦略を計算し、人間の対戦相手や他のAIプレイヤーと対戦するための決定を下しています。

こうした将棋AIは年々高度化していき、人間のプロ棋士と互角に渡り合うことができるようになりました。

 

メリット・デメリット

メリット・デメリット将棋AIのメリット

  • 時間と場所を問わず練習できる

将棋AIは、棋力に関係なく、24時間365日いつでもどこででも練習できる相手を提供します。棋力の低い初心者の方や、棋力の向上を目指す経験者の方には、特に有効と言えるでしょう。

 

  • リアルタイムの対局分析

将棋AIはリアルタイムで対局を分析し、潜在的な手の内を知ることができます。そのため、プレイヤーは失敗から学び、戦略を向上させることが可能になります。

 

将棋AIのデメリット

  • AIが支配的になる

AIによってプレイスタイルが限定的になり、多様性を欠いてしまう可能性があります。その結果、ゲームの創造性を阻害することにも繋がってしまいます。また、AIに頼りすぎて自分で考える力を失い、棋力が低下してしまうことも考えられます。

 

  • 倫理的な問題

将棋は対人を想定して作られたゲームです。そのため、特にプロ棋士の対局におけるAIの使用は、倫理的な懸念があります。AIがますます進化すれば、人間が勝つことが不可能になるほど人間を凌駕する可能性があり、対局の公平性や整合性に疑問が生じるでしょう。

 

将棋AIの歴史

将棋AIの歴史将棋AIの始まりは1967年に日立製作所が詰将棋を解かせたことから始まり、1975年に早稲田大学によって指将棋のコンピューターシステムが開発されました。

80年代には将棋ソフトが市場に出回り始めたものの弱く、AIが人間に勝つことはSF小説のようなものだと考えられていました。

しかし、2005年に保木邦仁氏が開発した「Bonannza」が登場し、ついにプロ棋士を破ります。2009年にはソースコードが公開され、AIは飛躍的に強くなり、2010年には清水市代女流王将と対戦して勝利。AIが人間に勝つことが現実のものとなったのです。

 

将棋棋士 vs AI!有名な将棋大会

プロ棋士とAIの戦いにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、特に有名な対局2つをご紹介します。

将棋棋士 vs AI!有名な将棋大会

  • 第2期電王戦 佐藤天彦名人VS Ponanza【勝者:AI】

第2期電王戦では、コンピューター将棋ソフトのPonanzaが佐藤天彦叡王(名人)に勝利しました。佐藤名人がAIに負けたことにより、事実上コンピューター将棋ソフトは、プロ棋士レベルを超えたことになります(2017年時点)。

佐藤叡王はPonanzaの強さについて、「自分にはないような将棋感の構想をやられたり、非常に良いもので、結果的にはそのあたりに差が出てしまって、最終的にはこの結果になったと思います」と語りました。

 

  • 将棋電王戦FINAL

将棋電王戦FINAL は、2015年3月から4月にかけて行われました。出場棋士全員が「勝つ為に戦う」と回答し、結果は5局うち2局がAIの勝利となりました。

・斎藤慎太郎五段VS Apery【勝者:棋士】

・永瀬拓矢六段VS Selene【勝者:棋士(コンピューターの反則負け)】

・稲葉陽七段VSやねうら王【勝者:AI】

・村山慈明七段VS Ponanza【勝者:AI】

・阿久津主税八段VS AWAKE【勝者:棋士】

 

PC用の将棋ソフト

ここでは、PCで手軽に将棋ができるソフトの数々をご紹介します。

1. 将棋レボリューション 激指14

将棋レボリューション 激指14市販最強将棋ソフト「激指」シリーズの最新作が登場!将棋レボリューション 激指14は、史上最高棋力の「Pro」レベルを実装し、自宅のPCでプロ級の強さを体感いただけます。

また、指導対局モードを大幅に強化し、竹俣紅女流1級に加えて、香川愛生女流三段が多彩な表情やアドバイスで指導。詰棋バトルや実戦詰将棋道場など、棋力アップに役立つ機能も満載!将棋ファンには見逃せない一本です。

 

2. AI将棋 Version 19 Windows 10対応版

AI将棋 Version 19 Windows 10対応版AIシリーズは、AI思考ルーチンを搭載した思考ゲームブランドで、AI囲碁、AI将棋、AI麻雀があります。Version 19 Windows 10対応版の本品は、社団法人日本将棋連盟アマチュア五段認定を受けたほどの強さを誇り、獅子王将棋のプログラムを搭載するなど様々な機能が充実しています。

初心者向けの将棋ガイドも収録されているため、基礎を学びながらAIの力を借りて強くなりたい方におすすめ!

 

3. BONANZA THE FINAL 優勝記念版

BONANZA THE FINAL 優勝記念版BONANZA THE FINAL 優勝記念版は、マルチコアCPUを活用した思考の効率化や攻撃的な人間らしい指し手を実現し、棋力を向上させています。ヘボ将棋から13段階の対局レベルを選択でき、BONANZA同士の対局観戦も可能。

世界コンピュータ将棋選手権で優勝した最強プログラム、BONANZAを自分の手で試してみましょう!

 

4. AI将棋 GOLD 4

AI将棋 GOLD 4AI将棋 GOLD 4は、最強レベルの思考ルーチン「YSS」を搭載した将棋ソフト。棋力のレベルは10級から初段まで選択可能で、次の一手の候補を3つ表示する「チョークボード・ヒント機能」や、棋譜の保存や再生機能も備えています。

さらに、思考エンジンの設定も調整可能で、自分に合った対局環境を作れるため、初心者から上級者まで楽しめます。

 

5.最強 東大将棋6

最強 東大将棋6最強 東大将棋6は、さまざまなモードで将棋力を鍛えられます。感想戦では、形勢が不利になった指手や最善手が与えられ、研究モードでは次の一手を3種類で3手先まで教えてくれる上に、好きな場面から再対局できます。

また、レーティング戦では、棋譜の保存も可能。対局を自分で振り返ることができるため、試行しながら強さを身に着けたい方におすすめです。

 

まとめ

 

人間を圧倒するほどの実力を持ちつつある将棋AIは、将棋界に大きな影響を与えています。あなたもAI将棋ソフトを上手く取り入れて、最強棋士になれるよう訓練してみてはいかがでしょうか。

Miyazak Akira
シニアエディター

AIニュースの執筆やAI製品のチュートリアルの作成で豊富な経験を持つ作家、Miyazaki Akiraをご紹介します。テクノロジー業界への深い理解を持つAkiraは、AIに関するあらゆることを知ることができるエキスパートです。さらに広がって、今アプリレビューの創作も進行中。最新技術の探求に忙しくないときは、SF漫画や写真撮影、心理系の書籍を読むことに熱中しています。Akiraと一緒に、魅力的な人工知能の世界を解き明かす旅に出かけましょう。