コールセンターや医療現場、捜査の場で活躍する音声分析技術。一際、AI技術を用いて音声から感情を分析するツールは、その精度と便利さで盛り上がりを見せています。
今回は、コミュニケーションの基礎と、手軽に導入できる音声分析アプリをご紹介します。
感情表現・察知
コミュニケーションついて考えるとき、私たちは「話す」という行為のみを思い浮かべることがほとんどです。しかし、感情を交えるためのコミュニケーションとは、本当に話すことだけでしょうか?
実は、お互いにメッセージを交換する手段には、次の2つがあると考えられています。
1.言語コミュニケーション
言語コミュニケーションとは、一般的に「書き言葉」と「話し言葉」の両方に関することを指します。言語コミュニケーションのメリットには、以下のものが挙げられます。
- 言語化することで、丁寧にメッセージを伝えられる
- 多くのメッセージを、より効率的に、より多くの人に届けられる
- フィードバックが早い
- 非言語コミュニケーションと比べて信頼性が高い
- 理解が容易になる
2.非言語コミュニケーション
非言語コミュニケーションは、ボディランゲージやジェスチャー、沈黙など、言葉以外の手段で行われることを指します。非言語コミュニケーションのメリットには、以下のものが挙げられます。
- メッセージの伝達をサポートする
- メッセージをより効果的に伝える
- 意図を示せる
- 感情を表現できる
- 個性をアピールできる
音声による感情分析
音声による感情解析では、深い畳み込みニューラルネットワークを用いて表現の学習をしたAIが、話し言葉に含まれる感情を識別します。
この技術では、トーン、ピッチ、テンポ、リズムなど、音声のさまざまな音響的特徴を分析して、話し手の感情を判断できます。
音声による感情分析は、市場調査、顧客サービス、メンタルヘルス診断・治療、さらには犯罪捜査など、幅広い応用が期待されています。例えば、企業がコールセンターでの顧客満足度のモニタリングに音声感情分析を利用したり、精神科医が患者の感情の変化を時系列でモニタリングするために利用したりすることができます。
音声分析アプリおすすめ
非常に便利な音声分析ですが、一般人も簡単にその恩恵を受けられるようになりました。以下の音声分析サービスは、あなたのライフスタイルや仕事を大きく変えるカギとなるかもしれません。
ANIVO
ANIVOは、声優とその作品に関する情報を、簡単に検索できるAI搭載のサービスです。音声解析技術を用いることで、手動で探す手間をかけることなく、声優とその関連作品を迅速かつ正確に特定可能。
好きな声優を題材にした動画視聴の新しい楽しみ方を提供します。
R:EmoTalkie
リモトーキーは、リモートワーク化で遠隔会議での発言に自信が持てない参加者の心的負担を軽減します。このAIでは発話特徴や感情を解析し、ポジティブなフィードバックを返却。
社員のメンタルヘルスケアに悩む企業の、大きなサポートとなり得るでしょう。
音声感情認識AI
UserLocalの音声感情認識AIは、ディープラーニングを用いた解析で、入力された音声から感情を読み取れるサービスです。1〜30秒以内の音声から、感情の強さを、平穏・幸福・恐怖/悲しみ・怒り・驚きの5感情で認識。
ポジティブ・ネガティブおよび分析した感情を、表と円グラフで可視化できます。
PST
PSTでは、声のセンシング技術を活用した、こころとカラダの状態を可視化するテクノロジーを提供します。開発サービス「VOISFIA」と「MIMOSYS」では、声から心の状態を数値化したり、病態を可視化したりすることで、病態の早期発見に貢献。
これらのことで、メンタル不調者の増加に対するニーズに応え、より手軽に心の健康状態をチェックすることが可能になりました。
Empath API
Empath APIは、音声などの物理的な特徴量から、気分の状態を判定するプログラムです。APIのURLにWAVEファイルを送るプログラムを利用すれば、プラットフォームを問わずに導入可能。
ストレスチェックやメンタルトレーニング、多言語対応のコンテンツにも活用できます。
まとめ
音声感情分析は、これからさらに発展が望まれる技術であり、その精度や効果は、分析対象の音声文脈や文化間での多様な感情表現によって変化します。実生活にうまく取り入れて、自己や他者の分析に活かしてはいかがでしょうか?